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コンサートや観劇で大活躍する小型双眼鏡。

先日のオペラ鑑賞で小型双眼鏡をホールで借りてみて、やっぱり必要だと痛感したため、ネットで探していました。あれやこれや探して、ついに素晴らしい小型双眼鏡に出会いましたので紹介します!

渋谷のオーチャードホールで貸し出されていたのは8×21の三層コートのものでした。
左側の「8」は倍率。右側の「21」は対物レンズ有効径(口径)です。

結論から先に言いますと、たどり着いたのが、日の出光学さんのヒノデ 5x20−A3です。

なぜ8倍から5倍に落としたのか不思議に思われるかもしれませんね。
普通は「倍率が高くなるほどよく見える」とされているからです。
ところが、それがとんでもない間違いなのです。

小型の双眼鏡で倍率が8倍を越えたものは、

(1)手ブレ:大きいため酔う
(2)対象物:探すのに手間取る
(3)ドアップ過ぎる:人物はバストアップやトールサイズである方が見やすい
(4)解像度:画像が低解像
(5)明るさ:視界が暗い

のです。

実際8×21の双眼鏡でオペラを観劇している間中、上記に悩まされたものです。
右目と左目の調整が大変だし、倍率が顔のアップ固定なので、動いているシーンで見ると手ブレで酔って気持ち悪くなる。顔だけのアップよりもバストアップの方が見やすいのに倍率を落とすことができず困ったものでした。

いろいろとネットを探して出会ったのが、日の出光学さんのサイト。

実用重視の最たる軍隊では、6~8倍の双眼鏡が使われているそうです。
旧陸軍では6倍、海軍では7倍。
それ以上の倍率はとっさの時にピントも合わず、手ブレの激しい双眼鏡では使い勝手が悪いですものね。
倍率のために使い勝手がトレードオフされてしまっては意味がありません。

立ち止まって歌っているオペラ鑑賞でさえ、8倍では手ブレのために気持ち悪くなるのだから、動き回るコンサートやスポーツなんかで8倍以上の小型双眼鏡は見にくくて仕方ありません。

ヒノデ 5x20−A3をよく読んでみると、小型双眼鏡を選ぶ際に、8倍とか10倍という高倍率よりも5倍か6倍のほうが絶対良いと力説してあります。非常に合理的・科学的な説明であって、「高倍率ほどよくみえる」という光学を何も知らない素人の錯覚だったことがよく分かりました。

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■倍率

 私はカメラをしているので、8倍とか10倍の世界はどういう見え方をするかよく分かります。

センサーサイズ35mmフルサイズボディでの倍率は、
標準視界のレンズ50mm(APS-Cボディでは33mm)を基準とするので、
・10倍は500mm(APS-Cボディ330mm)
・8倍は400mm(APS-Cボディ266mm)
・6倍は300mm(APS-Cボディ198mm)
・5倍は250mm(APS-Cボディ165mm)
となります。

私がフルボディの望遠でよく使うレンズは70-200mmです。
200mmを越える望遠は1.4倍テレコン、2.0倍テレコンを持っていますが、正直滅多に使いません。

倍率を固定されている状態で400mmや500mmもあったら、そりゃ倍率が高すぎて手ブレしまくり、絶対気持ち悪くなりますよ

ということで、カメラ撮影の経験から、小型双眼鏡なら5倍の250mmでも十分すぎるくらい十分だということに気付きました。


倍率を実際の場面で考えると、
仮に野球を外野席で観戦したとします。
ホームベースからの距離が大体120mくらいの席ですね。

これを5倍の小型双眼鏡で覗くと、120÷5で24mの近さでホームベースを見ているのと同じです。

ホームベースからセカンドベースまで38.792m、
ホームベースから一塁・三塁への各塁間を27.43m、
ピッチャーからキャッチャーまでの距離は18.44mです。

つまり、外野席から5倍双眼鏡でホームベース見ると、内野の選手とほぼ同じ距離感で見ることができるのです。

これが8倍になると120÷8で15mの距離です。
5倍の24mと差はわずかに9m.
野球の塁間距離から考えると、そんなに大差がありませんね。

ということで、楽天で売れ筋の6倍小型双眼鏡ヒノデ 6x21-N1か5倍のヒノデ 5x20−A3か考えた結果、
フルサイズボディ換算では望遠300mmと250mmの違いしかないので、
5倍の双眼鏡 ヒノデ 5x20−A3にしました。


■明るさ

カメラのレンズでも大切なのは「明るさ」です。
それは絞りがF2.8なのかF5.6なのかで、レンズを覗いたときに見え方が全然違いますし、もちろん撮影するときにシャッタースピードも早くなります。

10×21の双眼鏡
8×21の双眼鏡
6×21の双眼鏡
5×20の双眼鏡

では、実際どれくらい明るさが数値として違ってくるかというと、

10×21の双眼鏡の明るさは21÷10の2乗、4.41
8×21の双眼鏡の明るさは21÷8の2乗、6.89
6×21の双眼鏡の明るさは21÷6の2乗、12.25
5×20の双眼鏡の明るさは20÷5の2乗、16.00

となります。

10倍や8倍の小型双眼鏡に慣れている人が5倍の双眼鏡を見ると、まずその明るさに驚きます。
レンズの隅々までクッキリと見えるのです。
明るさは瞳の径と関係し、人間の瞳孔よりも双眼鏡のひとみ径が小さい場合、光が十分に集められないため、視野が暗く感じます。
そのあたりは日の出光学さんの明るさの説明でご覧ください。

6倍と5倍のどちらかか迷いましたが、より明るい
ヒノデ 5x20−A3
にして大正解でした。


■マルチコート

レンズは当然ながら光の入り具合をコーティングによって調整します。
眼鏡をしていると、コーティングが如何に大切かよく分かります。

ということで、
モノコートのヒノデ 6x21-N1とマルチコートのヒノデ 5x20−A3では、ヒノデ 5x20−A3に軍配が上がりました。



■実際の感想


・画質

鳥肌が立つくらい綺麗です
覗いてみて、「オォー!」と大声を上げてしまったくらいです。
双眼鏡で見ている世界を写真に撮れないので、実際に写真で表現できなくて残念で仕方ありません。 

解像度の高さは高級カメラレンズで覗いているようです。
キャノンの高級LレンズEF70-200mm F2.8L IS II USMで見ているような解像度。
シャープでクリアーです。
ブラウン管からハイビジョンになったときに綺麗になり過ぎて驚いた、あの感覚です。

周辺の光量減光もほとんどありません。すみずみまで明るくクッキリしています。

レンズがプラスチックではなくガラスというのもいいですね。
プラスチックは傷が付きやすいですから。

一般に1万円以下の小型双眼鏡はほとんどプラスチックレンズなので、これは大きなポイントです。



・見やすさ

アイポイントが寛容なので、両目で覗いてできる視野の重なりが非常に見やすいです。
8倍や10倍では覗いたときに左右の像がずれてしまって非常に見にくいことがよくあります。
それを調整するのに四苦八苦することが多いのですが、この双眼鏡では全くありません。

またアイレリーフが16mmもあるので、眼鏡をしていても十分綺麗にみることができます。
裸眼の人は目当てを伸ばして、眼鏡の人やロングまつ毛のひとは目当てをしまって使用できるのが便利ですね。


・距離感

5倍ということで小さく見えるのかという心配は杞憂です。
6倍のヒノデ 6x21-N1にしなくて良かったと思います。

マルチコートの上に明るいため、たった1倍の差なんて全く問題ないです。
逆に1倍のために明るさや画質が犠牲になったとしたら、これほど残念なことはありません。

8倍や10倍の双眼鏡みたいに、手ブレがしたり焦点が合わずにチカチカ、クラクラすることなんてありえません。
髪の質感、肌の質感はこの5倍の方がはるかに良く見えるのではないかと思います。 


・その他

レンズキャップが左右連結されているのがよく、さらにストラップに通して紛失防止になるのが便利。 普通の双眼鏡では左右バラバラ、しかもストラップに連結などできやしません。




以上、長くなりましたが、1万円以下の8倍や10倍の小型双眼鏡を買うなら、絶対このヒノデ 5x20−A3をおすすめします。

日の出光学さんのサイトにも書いてありましたが、小型双眼鏡で5倍の倍率の商品は一般に販売されていません。オリンパスでもヴィクセンでもニコン、キャノンもありません。

小型双眼鏡は絶対に5倍がおすすめです。 


日の出光学さんは楽天ショップだけでなく自社サイトでも販売されております。
そちらの方が若干安いのでお勧めですね。


ちなみに、11月から材料費高騰の為値上げされるそうです。
値上がりされるまでに、旅行・観劇好きの両親のためにもう2本買おうかなっと。